2.01 ノルウェーの人口比較

ノルウェーの一般データ

1 面積              38.6万平方キロメートル(日本とほぼ同じ)

2 人口              525万人(IMF2022年) (横浜市に川崎市を加えたくらい)

3 首都              オスロ 人口712,092人(2023年)(岡山市とほぼ同じ)

4 言語              ノルウェー語、サーミ語

5 宗教              福音ルーテル派が大多数を占める

  

何故、人口比較を最初に持ってきたかと言うと、日本の人口が多過ぎるからなのです。ノルウェーは日本の1/20程度で比較になりません。私が学生の頃(約55年前)は、どの人口論講座も、多すぎる日本人論ばかりで、どうやって食糧危機を乗り越えるかという議論が盛んでした。世界でも急速に増加する人口に、どの様に対処したらいいのかと言う議論が、国連を中心として盛んに討議されたものです。ハリウッド映画でも人口爆発を扱ったものがあり、チャールストン・ヘストン主演の『ソイレント・グリーン』という映画は、2022年人口爆発により、人間を原料とする食糧が実用化されると言うものでありました。2025年現在、人口爆発と呼ばれた時期の人口増加率の1/50~1/100 程度のわずかな減少率ですが、先進国を中心として、人口減少国が出始めたのです。さっそく、このまま人口減少が続くと 「国がなくなる」 と言うような悲観論を言葉にする輩が現れてくるようになってしまいました。

  数理解析最適人口数講座は、沢山のファクターがある中、その一部を少し改善するだけで、莫大な食料を得ることが出来ることを示めしており、大変興味深いものでした。日本全体の耕地可能面積に照射される太陽光に対し、最適炭水化物変換率で芋類等の炭水化物を作れたとして、人間2000Kcal/Dayを必要とした場合、何人ぐらいが日本国内で生存可能か?と言うような数理解析です。大気汚染・水質汚染など多数のファクターがあるのですが、5000万~6000万人くらいが最適と当時言われておりました。葉緑素から直接デンプンに変換できる技術が開発されれば、もう1000万人位は行けるのでは、というのが解析結果だったように思います。

  当時、日本は人口1億人を超えておりましたので、上記はとても無理な数値であり、米国に頼る又は、カリフォルニアに移住が日本人の生きる道かと、皆考えていたものです。そして、講義の終わりに、「では、どうやったら人口抑制できるか?」 のフリーディスカッションになるのです。人口抑制するためには、先ず第1に乳児死亡率の”0(ゼロ)“化です。子供を5人産んで1~2人成人になる(当時)のでは本能的に子供を作ってしまいます。第2は安定した食糧の確保です。第3は戦争・動乱のない平和な社会、で最も難しい事項となります。それがいつも繰り返される結論でした。

  現在、第1は医学・薬学の進歩により、感染症による乳児死亡はほぼ“0(ゼロ)”と成っております。第2は、農業の機械化・国際化が進んだため食糧の安定供給が可能になり飢餓で死亡する例もほとんど”0(ゼロ)“になりました。第3の戦争・動乱は偶然ですが、まったく戦乱がない状態が長く続いているので、何となく子供の出生率が下がっております。

  現在の出生率低下は、ただ単に平和が続いている、裏の現象にすぎません。したがって、出生率を上げるのは、比較的簡単です。戦争を始めればよいのです。